都道府県のうち、なぜ北海道だけは「道」なのか

47都道府県のうち、なぜ北海道だけは「道」なのか?

北海道は明治初期までは「蝦夷地」あるいは「蝦夷ヶ島」などと呼ばれていたが、明治政府は北方開拓のために開拓使を設置し、蝦夷地の探検家でありアイヌの人達とも交流を持っていた松浦武四郎を開拓判官に任命、そして「蝦夷地」の名称を変更することにした。

彼が政府に提出した建白書には
「日高見道」「北加伊道」「海北道」「海島道」「東北道」「千島道」
の六つの案があった。

この時点で既に全ての案に「道」がついている。
これは律令時代の五畿七道を参考にしたからである。
そして、その中から「北加伊道」が採用されたというわけである。
その後「海北道」との折衷案、あるいは東海道南海道と合わせる意味においてか
文字を「北海道」へと変更した。

なお、松浦は「北加伊道」の「加伊」はもともとの「蝦夷」をカイとも読めることと、アイヌ語で人を意味する「カイノー」とに由来し、アイヌ民族は自らをカイ、あるいはカイノーと呼んでいたというが、
言語学者金田一京助は、そうような事実を示す証拠はないとしている。