図解 悪魔学
<第1章 悪魔とは>
世界中にいる悪霊(demons)と一神教の魔王(The Devil)の違いからはじまって
ゾロアスター教のアーリマン
聖書のサタン
明けの明星ルシファーがサタンと同一視されるに至った経緯
アザゼル、マステマ、ベリアル、ベルゼブブ、アスモデウス、サマエル、アバドンの個別ページ
堕天使が堕天した理由(『エノク書』、『アダムとエバの生涯』)
黙示録の獣、The Beast
サタン以前から悪の象徴であるドラゴンの歴史
アンチキリストという「人間」
メソポタミア起源の女悪魔リリト
レビヤタンのイメージとか扱い、同じくベヘモット
異教の神から悪魔になったバアル、アスタロト、モレク、ダゴン
ファウスト伝説からでてきた新しい悪魔メフォストフィレス→ゲーテのメフィストフェレス
悪魔の歴史とメジャーな悪魔の個別紹介が簡潔にまとまってて良い感じ。
<第2章 悪魔学・基礎編>
神学の一部としての悪魔論、悪魔学の発展やら歴史
イグナティオス、ユスティノス、エイレナイオス、テルトゥリアヌス、グノーシス主義、オリゲネス、ラクタンティウス、マニ教、エウァグリオス、アウグスティヌス、偽ディオニシウス、ボゴミール派、カタリ派、イスラム教、それぞれの悪魔論
それぞれの主張やら特徴がわかりやすくまとめられててナイス。
正直あんまり区別付いてなかったのでありがたいw
<第3章 悪魔・発展編>
民間伝承やら文学芸術と混ざって多様化。
悪魔の姿、住処、素材、数、好み、仕事、悪魔の家族
「愚かな悪魔」
聖アントニウスを苦しめた悪魔
アイルランドの僧によって書かれた『タンデールの幻』、ダンテ『神曲』、テラモのヤコブ『ベリアルの裁判』の悪魔
「悪魔の三位一体」について
悪魔と四大元素
悪魔の位階、『悪魔の偽王国』、『失楽園』
悪魔の数字666、13日の金曜日
死後の審判と悪魔
悪魔との契約
中世以降の多様化した悪魔の扱いについての章。
聖書研究ではなく、文学やら絵画が影響を与えるようになってくると
キャラクターとしておもしろくなってくる。
<第4章 魔女の悪魔学>
破門、異端審問、魔女狩り
『魔女への鉄槌』『魔女の悪魔狂』
魔女、狼憑き、サバト、バフォメット
悪魔憑き、悪魔祓い
話としては面白いけど、事実としては最悪の歴史部分。
何教だろうが排他的狂信者こそ悪魔ね。
<第5章 グリモワールの悪魔学>
『モーセ第6、7書』、『ソロモン王の大きな鍵』、『ソロモン王の小さな鍵』、『ホノリウス教皇の魔道書』、『アルマデルの魔道書』、『アブラメリンの聖なる魔術書』『大奥義書(グラン・グリモワール)』
主なグリモワールの内容やら儀式の紹介。
〜まとめ〜
おさえるとこおさえつつ、簡潔にまとまっててわかりやすい。
この本から、参考文献一覧や原典たどっていけば論文でもまとめ本でも書ける感じ。
入門書として完璧じゃないだろうか